歯の喪失を避けられない人には…
歯を失う二大原因といわれているのが「虫歯」と「歯周病」です。歯の喪失を防ぐためには、歯磨きや歯間ブラシなどを使ってしっかりセルフケアをし、早いうちから予防治療に通うことが効果的ですが、どうしても歯の喪失を避けられないという方へは、歯科医院では「インプラント」や「入れ歯」などをご提案しています。
インプラント治療

インプラント治療は、歯を失った部分の歯根に新しく人工歯根を埋め込み、それを支えに人工歯を取り付けるという治療法です。人工歯根には骨との親和性の高いチタン金属のネジを用い、これが「インプラント」と呼ばれています。 入れ歯と比較して、円滑に「噛める」「話せる」といった天然歯に近い機能を有するため異物感が少なく、患者さんの満足度が高いものとなっています。 インプラントが骨に接着するまでに3カ月~6カ月程度の治癒期間を要し、治療後も定期検診や丁寧なメンテナンスが必要となります。
治療期間:約6週間~数ヶ月
通院回数:6回~8回
インプラント治療の流れ
1カウンセリング
治療内容・期間・費用をはじめ、インプラント治療以外の選択肢についてもお伝えし、各メリット・デメリットをお話し致します。
2術前診査
歯科用CTスキャン・レントゲン・口腔内スキャナー・口腔内写真などで、インプラントを埋入する骨や口腔内の状態を診査・診断します。
3治療計画の説明
検査結果をもとに立てた治療計画を患者さんにご説明します。
4一次手術
インプラントを顎の骨に埋入します。局所麻酔を用いて手術を行い、手術中に伴う痛みに配慮します。
5二次手術
インプラントは一次手術から2~5カ月で骨と結合しますので、その後、二次手術を行います。インプラントの上部の粘膜を切開し、インプラントと上部構造を接続するアバットメントを取り付けます。
6上部構造(被せ物)
歯茎の傷が治ってから型取りを行うのが一般的ですが、当院は二次手術と同日に口腔内スキャンによる撮影で型取りを行う場合が多いです。
7完成
歯の本数にもよりますが、2週間程度で人工歯が完成します。人工歯をインプラントに取り付けて完成です。スクリューで留めるだけなので、このときは手術の必要はありません。
8メンテナンス
インプラント治療後は、インプラント周囲炎を防ぐため、治療した部分に限らず、口腔内を衛生的に保つ必要があります。一般的には3カ月に1回ご来院いただき、「インプラントや上部構造の状態・噛み合わせなどを確認」「お口全体の歯や歯茎のチェック」「PMTC」「ブラッシング指導」などを行います。
インプラント Q&A
- Q手術での痛みはありませんか?
- A手術中は痛みを抑えるために麻酔を使用します。 麻酔自体も、痛みをおさえた方法を採用しており、腫れや痛みが出ても通常は1日くらいで改善します。
- Qインプラントの耐用年数はどれくらいですか?
- Aインプラントそのものは劣化しないため長期にわたって使用できます。しかし、定期的に歯科検診を受診し、口腔内を清潔に保って歯周病などを防ぐことが重要です。
- Q顎の骨に異物を埋め込んでも大丈夫ですか?
- Aインプラントの素材に使われるチタンは、人体にとてもなじみやすい素材です。歯科以外の医療現場でも用いられており、副作用の少ない安全性の高い素材として認められています。お身体への害はほとんどないといえるでしょう。
- Q人工の歯であることをほかの人に気づかれませんか?
- A人工歯は、ご自身の歯に合わせた色調にできます。周囲の歯に固定するバネもないため、周囲から気づかれる心配は少ないでしょう。
インプラントの特徴
メリット
天然歯と同じように噛めるようになる
自然な仕上がりで、見映えがよい
食物の味や、歯ごたえ・食感・温度などを楽しめるようになる
取り外す面倒や手入れの必要性がない
耐久性が高い
デメリット
手術が必要になる
治療が長期間になる場合がある
2~3日程度、出血・違和感・痛みなどが起こる場合がある
検査結果によってはインプラント治療が行えない場合がある
自由診療(保険適用外)のため費用が高額になる
入れ歯
「入れ歯」は、歯の欠損を補いつつ、いつでも取り外しできる機能です。
使用する素材によって、保険が適用できる場合(保険診療)と、保険適用外(自費/有料診療)となる場合があります。
通院回数の目安は3〜5回、施術にかかる日数は2週間〜3ヶ月ほど必要です。保険が適用できる入れ歯
保険適用に比べて安価で短期間でできる一方、使用できる素材が決められているため、素材を選べる自費(自由診療)の入れ歯より耐久性や快適な使い心地が劣る傾向があります。
メリット
安価で治療できる
治療期間が短い
デメリット
金属のバネが目立つため見映えが悪い
厚みがあり食べ物の熱を感じにくい
壊れやすく変形しやすい
自費の入れ歯(保険適用外)
- ノンクラスプデンチャー
金属のバネがないため、口を開けても入れ歯だとわからないほど自然な仕上がりで、入れ歯自体も薄くて軽い仕上がりです。
メリット
装着していることが目立たない
治療期間が短くて済む
装着時の違和感が少ない
デメリット
保険適用外なので高額になる
手入れに手間がかかる
- 金属床義歯
入れ歯の土台となる部分に金属を使用した入れ歯です。強度があるため、土台を薄く丈夫につくることができます。
メリット
食べ物の熱を感じとりやすい
金属を使用しているため壊れにくい
薄くつくられているため装着時の違和感が少ない
デメリット
保険適用外なので高額になる
金属アレルギーの方は使用できない